買取の王道
くちコミというダイレクトなメッセージは、パーソナルな情報を的確に理解.浸透させることができる有効策といえます。
多くの消費者から自社の顧客へと囲い込むには、基本的なステップがあります。
よく知られるところでは、潜在客←見込み客←顧客←優良顧客←推奨顧客という顧客深化プロセスです。
顧客とのより良い関係を構築し優良顧客へと育成することを目的としたCRM(カスタマー.リレーション.マネジメント)はいまや、マーケティング手法の1つとして広まってきていますが、ここでもくちコミの果たす役割が注目されています。
CRMでは、企業から顧客へのアプローチをワントゥワンで行うことで、顧客はその企業に対してロイャルティを抱くようになっていきます。
インターネット登場以前では、販売担当個々の顧客へのアプローチやダイレクトメールがその役割を果たしてきていました。
インターネットによりアプローチ量の一層の拡大とともにスピーディな対応も可能になりました。
インターネット導入期では、企業と顧客を結ぶこの情報伝達サービスは他社との差別化として奏功していましたが、現在ではそれだけでは顧客が満足することは少なくなってきました。
単に便利でお得な商品やサービスというだけでなく、この商品やサービスの中身が「信頼感がある」や「親近感がある」ことを明確に伝えなければなりません。
この信頼感や親近感を伝えるものが、くちコミです。
情報発信もとの企業からのタテの情報の流れに加え、企業と直接的な関係のない顧客からのヨコの情報の流れが付加されるようになってはじめて、消費者はその企業の商品やサービスに信頼感を抱くようになります。
くちコミによって、情報が線から面へと拡大していくことになるのです。
「信頼感」「親近感」の醸成という意味で、ブランドを経営戦略の一環として捉える企業が多くなりました。
多くの商品カテゴリーが飽和状態にある現在、他との優位性を消費者に理解してもらうために、ブランドが有効と認識されているのです。
ブランドとは、一朝一夕に構築できるものではありません。
ブランド名の認知ということでは、短期的に大量のマス広告を投下することでその目的は達することは可能です。
消費者に愛用されるようになるには、やはりある程度市場で評価される時間が必要です。
この市場での評価を育むものとして、くちコミが有効になってきます。
確かな商品力を持つものであれば、自然にその良さは広まってゆくものです。
黙して待っているほど現在の競争社会は寛容ではありません。
ブランドとして熟成させるにはそれなりの時間が必要になってきますが、極力短期に果たすには、「信頼感」や「親近感」が訴求できる仕掛けを企業側が能動的に発信していかなくてはなりません。
欧米の企業では、この情報をくちコミにまで広がるように意図的に発信する役割を担う人がいます。
「ブランド.アンバサダー」と呼ばれる人です。
ブランドコンセプトをマスメディアや消費者に向けて流し、ブランドを正しい方向に仕向けることを主な活動としています。
マスメディアに向けては、広告やパブリシティが中心となります。
消費者には、イベントなどを通してそのブランドのコンセプトやベネフィットを伝え、くちコミにまで広がる戦略を策定していきます。
こうして、企業が望むブランドイメージをくちコミによって広げていくのです。
ある健康食品メーカーがダイエットに効果がある携帯食を開発しました。
一食分が300円と携帯食にしてはやや高額で1か月間連続して使用しないと効果が表れませんが、商品化時点ではこの期間を経れば確実に効果が発揮されることは実証済みです。
まずは、マス媒体を利用して商品の告知を行いました。
ターゲットは20代から30代のOLです。
広告予算はそれほど用意されていないため、職域配布の女性向けタブロイド版フリーペーパーに広告を出広しました。
商品の存在を限られた予算の中で広く「知ってもらう」ためです。
あわせて、この広告の中でモニター100名を募集しました。
「興味.関心」を持ってもらった読者に「体験」してもらうことが目的です。
この体験者が、実際に効果が表れれば、モニター終了後も継続して購入してくれる可能性は大です。
ダイエットしたニーズを確実に果たすものであれば、この人はついその効果を回りの人に伝えたくなります。
つまり「ファン」になり、その商品の「推奨者」に成長するわけです。
「推奨者」から推奨された人にも効果があれば、さらにその伝播力は拡大していきます。
「つづみモデル」のくちコミ派生の典型パターンです。
われわれは自社の顧客の中のオピニオンリーダーともいうべき推奨者のことを「くちコミュニスト」と称していますが、くちコミ成功の最大ポイントの1つはくちコミュニストをいかに把握するかにかかつています。
商品やサービスを「初めて知るきっかけ」「興味関心を持つきっかけ」「購入しようと思うきっかけ」のいずれにおいても、テレビ.新聞.雑誌などの果たす役割は依然大きいとえます。
その中にあって特筆できるのが、くちコミです。
3つの「きっかけ」のいずれにおいても、「友人や知人のくちコミ」はテレビCMに次いで高い影響力を示しています。
認知拡大から購買への一連の流れで、くちコミが有効であるということです。
くちコミは普及段階、つまり導入期←成長期←成熟期←衰退期という製品ライフサイクルのうち、導入期から成長期にかけて効果を発揮しやすいと言われますが、まさにそのことを立証しています。
スターバックスコーヒーが日本に初めて登場したのは東京の銀座でした。
シアトル風の本格的でおいしいコーヒーという新奇性から多くの媒体で紹介されました。
このことがトリガーとなってスターバックスは急速に日本市場で受け入れられることになりましたが、都市部で働くOLやビジネスマンのくちコミも大きな成功要因であることは論を侯たないことでしょう。
豊富なメニュー、女性1人でも入りやすい落ち着いたインテリア、完全禁煙の店内など、つい誰かに話したくなる要素で一杯です。
してみたい、教えてあげたい」という心理によって行動を起こさせるものであり、しかもその情報を聞いてもらって「共感してもらえる」「驚いてもらえる」ことを期待して伝達することが基本にあるため、気軽に話ができるコミュニティの順位が高かったものと推測できます。
場の同僚」からくちコミ情報を得る機会が多いことです。
くちコミされる商品やサービスがパソコンなどのIT関連機器や、接待や宴会で利用する飲食店など仕事絡みのものが多いことに起因しているのでしょう。
くちコミ対象商品によってくちコミルートが変わってくるのは当然と言えば当然です。
この調査データからは、くちコミのコミュニティが気軽に話ができる雰囲気であればあるほど、伝達量も増えていくということが読み取れます。
それでは、ユーザーが一度良いと思った商品に出会ったとき、他の人に伝えたいと思う気持ちはどれくらいあるのでしょうか。
「くちコミ調査2002」によれば、258人の調査対象者のうち、「よくある」が13.7%、「ときどきある」が55.1%と回答しました。
つまり、この2つを合わせた「ある」と答えた人が77.8%とおよそ8割にのぼります。
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